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   成功する企業革新のポイント   「小さな会社だから勝ち残る」より


     第2章 組織力の効果的な高め方

代表取締役社長 中田 耕治

4.組織の「自己保全化」と「自己肥大化」を防ぐ「自己革新組織」 (2)


一方、「自己肥大組織」とは、会社を取り巻く経営環境とは無関係に、自らの都合で徐々に大きくなる組織です。
そのようになる理由のひとつは、社員は仕事が暇になると、「暇を埋める」仕事を作り出すからです。
たとえば、品質管理部門の人が、品質をよくするための、データ収集や分析をするのならよいのですが、暇になると、上司から質問されたときに答えられる、「防御資料」や、「自己満足資料」を作ったりするようになります。
これは、非常に大きな損失になります。
しかも、ほとんどの場合、他の人たちに協力してもらわないとできないし、その協力する人たちも、その仕事は会社のために役立つと思っています。
つまり、品質向上に役立っていると思い込んでデータを作るのですが、こういったことが積み重なって、どんどんと人が増えていくのです。
これを防ぐには、グループや個人に、価値のある多くの課題を与えたり、また、必要最小限の人数に少なくして、常に、十分に忙しい状態にしておくことです。
価値のある課題には、トップダウンの経営改善や、ボトムアップの経営改善などがあります。(これについては後述します)


自己肥大組織になるもうひとつの理由は、責任が不明確になり都合がよいからです。
ひとつの仕事を細分化し、より多くの人が分担したほうが、個人の仕事の出来映えが目立たなくなります。
当然、よい仕事を行っても目立たないため、よい仕事をする意欲がなくなり、また、悪い結果でもその責任が薄まるため、反省も少なくなり、どちらの場合にも、会社目標の達成にはよくありません。

会社目標の達成には、このような「自己保全組織」や「自己肥大組織」ではない、「自己革新組織」が望まれます。
「自己革新組織」とは、社員の能力が常に向上している組織を言います。
社員の能力は、ほっておくと確実に低下していきます。
なぜなら、人は勉強が嫌いだからです。
その面白さを見つけ出した人には楽しいことかもしれませんが、そんな人はまれです。
だから、人が勉強して伸びる「場や材料」、伸びなければならない「厳しさ」、伸びることの「メリット」を、明確に与えることが必要です。
伸びる場や材料とは、新たな部署や仕事、トップダウンやボトムアップの経営改善の課題、また、改善のリーダーになったりすることです。
つまり、「挑戦できる環境や対象」の提供で、これを与えられなくて伸びることができない人、特に、優秀な人で、持てる能力を発揮できない人が多いのは残念です。伸びなければならない厳しさ、これは行動することへの厳しさで、これが欠如する会社を多く見受けます。
まちがいの厳しさに、「他人への責任追及の厳しさ」があり、それを「自分が行動しない理由」にしている場合があります。
たとえば、「営業が、標準納期より短い受注ばかりするから、生産性が改善できず納期遵守率も悪くなる」といったように、営業部門には厳しく、自部門は完全と思っている製造部門、これは責任転嫁です。
他部署(営業部門)の責任追及で、自部門(製造部門)の行動を抑制しています。
それを言わせない、認めない、組織の厳しさが必要です。


また、能力が伸びることのメリット、これは能力が伸びて仕事で成果を残したときに公正に評価されて、それが待遇に反映されることです。
しかし、一般的に、伸びる人には風当たりが強くなります。
伸びる人を見習って、自分も伸びたいという気持ちよりも、伸びる人に対するねたみのほうが、どうしても強く出てきます。
そして、足の引っ張り合いになるわけですが、必要以上にねたみを発生させない工夫が必要です。
たとえば、形式的な表彰、名前だけの地位、たてまえだけの誉め言葉は少なくして、実質の昇給やボーナスに反映します。
社長は、優秀な社員を誉めるために、全社員を一堂に集めて大々的に表彰などをしたくなりますが、ぐっとこらえて、その人に対する風当たりを少なくしてあげ、さらによい仕事をしてもらうようにすることも大切です。

    
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