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  「日・米・独の企業経営比較による
         日本の製造業の経営力強化ポイント」
 

       第5章 今後の日本の製造業の経営力強化ポイント
代表取締役社長 中田 耕治


5.社会との共生とグローバル化への積極的対応(1)


社会との共生とグローバル化に関しては、残したいベスト10にはなくて捨てるべきワースト10に「系列重視」があるだけで、今まで日本の企業はこの点についてあまり経営の中に取り入れてこなかったことを物語っている。ここで系列を、捨てるべき項目としてとらえていることが少し気になる。
なぜなら日本の中小製造業からは系列という関係をとればかなりの企業がダメージを受けるに違いない。それほど中小企業が系列に頼ってきたところがある。しかし昨今の大企業の行動は今までの系列関係をご破算にしようとしている。
これは大企業が、小さな系列と言う社会から大きなグローバルな社会への移行を余儀なくされていることがあるが、それほど日本の大企業の世界的な影響度が大きくなってきたのだろう。

このような大企業の動きに対して中小製造業は対応しなければならないが、計画的に対応を始めている企業は少ないように思える。
なぜならそのためには、日本という土俵から世界という土俵に移っていかなくてはならないが、中小製造業にとって多くの問題があるからである。
大企業にとっては世界の情報を入手し対応することは大きな困難を伴わないかもしれないが、多くの中小製造業は、言葉の問題、国の商取引の問題、物流の問題など解決すべきことがたくさんある。
しかし、情報化がそれを助けてくれるようになってきた。中小製造業にもインターネットを活用したグローバル化の道が開けてきているようであり、いかに早くそれへの対応を図っていくかがこれからの課題である。
もちろん大企業はグローバル化を進める上で規模の経済性を働かせる市場を開拓することが必要であり、しかし規模の経済性を働かせることの反面として、社会との共生を踏まえた大きなリスクが存在することも事実である。
つまり、グローバル化においてはだれが敵で、だれが味方なのかも判然としなくなる。
敵が見方になり、見方が敵になる。一見するとつじつまが合わないようなことがあちこちで生じるのがグローバリズムの特質で、国や業種の垣根は超えてライバル企業の合従連衡が増えている自動車産業の実態を見ても明白である。

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