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「日・米・独の企業経営比較による
日本の製造業の経営力強化ポイント」 |
第5章 今後の日本の製造業の経営力強化ポイント |
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| 代表取締役社長 中田 耕治 |
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3.社員の高価値化(1) 社員の高価値化に関しては、残したいベスト10の「D知識・スキルの共有」「H企業内教育の重視」が、また捨てるべきワースト10の「Eゼネラリストの重視」などが該当している。
経営に携わる社員の質を高めることは非常に大切なことであり、当然ことである。ここで問題となるのは、経営に携わる社員をどのように層別するかである。組織は、経営者層、管理者層、一般層(ブルーカラーを含む)の大きく3つの階層からなっている。
ドイツには社会に深く根ざしたエリート主義があって経営に携わるのは一部のエリートであり、ブルーカラー労働者は高い給料をもらっていてもドイツの固定した社会階層の底辺から這い上がることはできない。
アメリカも経営に携わるのは経営者層だけである。しかし日本の場合は、ブルーカラー労働者や低学歴者でも経営者になることは可能であり、全社員を経営に携わる社員と考える土壌はある。
経営とは利益をあげることであるから、経営に参加する人の割合が多いほど、その目的を達成する可能性は高い。その意味では日本の経営は進んでいるといえるのではないだろうか。しかしそれに安心してしまって、経営者が自らの能力を過信し、レベルアップを図ろうとしない風潮も見られる。
欧米の経営者が最高の能力を身に付けてそれを発揮することにエリートとしての満足感を得ているのに対して、日本の経営者の意識はそのレベルではないようである。その解消のためにも、取締役数の削減と社外取締役の増加は必要であり、そうすれば経営層の危機感を盛りあげ、自らの経営能力を磨くことに全力投球するようになると考えられる。経営環境が劇的な変化を遂げる現在、今やどの企業も、それぞれ旧来のやり方か新しい方法かの選択、孤立かグローバル化かの選択、停滞かリスクをかけた前進かの選択に直面しており、正確な経営判断ができる人材の育成が望まれている。
ところで、少子化と高齢化社会に直面している日本社会は、確実に労働力不足の社会に向かっている。労働力不足の経済下で成長を維持するためには、産業構造を変えることのほかに、少ない若者を活性化するか、高齢者を有効に活用するか、外国人労働者を効果的に導入するか、選択の幅はそう多くはない。
テキサス大学オースチン校で実際に行われているMBAコースの講座「投資基金講座」ではトレーニングルームの隣はハイテク教室があり、民間47社の寄付によるハイテク機器が並び、トレーニングルームと連動して講義が行われている。寄付者の中には、NEC、ソニー、日立などの日本企業の名前も見られ、運用の指導にはゴールドマン・サックス、モーガン・スタンレーなどの投資銀行から派遣された専門家や大学教授があたっている。そして卒業者は即戦力として全米に散らばって行くそうだが、日本の銀行や証券会社がいくら頑張っても勝てない理由の一端は、このすさまじいほどの専門教育にあると思われる。25)
25) 村田修造「日米経営比較」大学教育出版、2002年、57ページ
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